あまかざりやま

雨飾山

2019/8/4〜6                                                     7人パーティー(崎田・記)

 JR大阪駅〜金沢駅〜糸魚川駅−雨飾山荘(前泊)
 雨飾山 1963m

 雨飾山荘、村営雨飾荘

 登山口→薬師尾根→中ノ池→笹平/山頂往復→荒菅沢→ブナ林→キャンプ場
<上り>
 6:00 登山口(110分)一ぷく処(80)中ノ池(90)笹平(50)山頂・北峰
  Σ5時間30分/標高差1080m
<下り>
  山頂(30)笹平・30分昼食(10)金山方面分岐(130)荒菅沢(70)ブナ林(80)キャンプ場
  Σ5時間20分/標高差800m

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山頂(南峰)/rollover 北峰

    

      JR大糸線は松本-大町-糸魚川を結ぶ。 西側は北アルプスで、穂高岳、常念岳、槍ヶ岳、燕岳
      針ノ木岳、鹿島槍ヶ岳、白馬岳など、名山の枚挙にいとまがない。  深田久弥(百名山を選定)
      は信濃大町から糸魚川街道を辿っている時、北の方面にピラミダルな山容を見つけ、「雨飾山」
      の美しい名前にも惹かれたと云う。 路が不明瞭だったり、四日間雨に遭うなどして、三度目の
      挑戦で登頂したとある。

      ガイド本などでは小谷村からの往復路が記述され、約9時間半とある。 今夏は北から南へと
      縦走する行程で、期間限定の登山タクシーを利用し、糸魚川駅から雨飾山荘に前泊の計画だ。
      新幹線の高架駅からは日本海も見え、ヒスイ海岸とも云うそうだ。 翡翠の原石等を産したこの
      地域は、日本列島を縦断する地溝帯(糸魚川・静岡構造線、250Km)の北端に当たる。

      当日は上り下り、約10時間の行程に挑んだ。しかし急登の連続、暑さも加わり、予定時間を過
      ぎて小谷村の雨飾荘に届いた。 下山時に不調の人もあったが全員で完踏、大きな山塊だった。


 

<糸魚川〜雨飾山荘>

 
  大阪からは”北陸乗り放題キップ”が都合良く三日間有効で、黒部宇奈月駅から買い足して
特急、新幹線で糸魚川駅に4時間で着いた。午後3時発のジャンボタクシーに乗り、標高900m
弱の山荘へ、ここまでのアクセスは楽ちんペースだった。  山荘は明治13年創業とあり、ベン
ガラ色の建物、大きな梁や黒光りの柱は風雪に耐えた歴史さえ感じる。庭の隅には小さな露天
風呂も用意されている。  改築の食堂はテーブルに4組、ご主人から山の話を聞きながら盛り
沢山の夕食をいただく。

 翌朝山荘の庭から真北に鬼ケ面山、その奥に駒ケ岳が見える。”妙高戸隠連山国立公園”の
西端にあたるそうだ。朝霧が流れ、好天も期待できると云う。 出発の集合写真に納まり、6時に
歩き始めた。 山荘横が登山口で「雨飾山4時間」の標が立っている。

 

山荘前に鬼ケ面山

雨飾山荘

 

<急坂の薬師尾根>

 
  直ぐに梶山薬師の社があり、安全を祈願する。 岩径や木の根っこをクリアー、薬師尾根に
取り付き、50分歩行10分休みで登るが、段々と休憩の間隔が短くなる。 2時間ほど登った所
に”一ぷく処”の標がある。右手には深くえぐれた沢、その西には山頂からの尾根が見える。

 山荘で入手したイラストマップでは80mの平坦路以外、ニ箇所のみが平坦な径とある。 机上
の計算では、平均斜度30°を越える急登が数箇所ある。笹平の下は高低差が230mで斜度36
度にもなる。 毎月の例会でもこの程度の坂は体験しているが、連続すると足も遅くなる。

 植生も変り虫も飛ばなくなり、ハシゴも出てくる。 出発して3時間、”中ノ池”と云う地塘に届く。
雪渓が溶けた水溜まりで育った、水芭蕉の濃緑色の葉っぱが目立った。 しばし休憩して最後
の急登へと進む。 笹平の分岐までは高低差300m、緩い上りなら一時間だが、90分もかけて
山頂を臨む梶山分岐点に届いた。

急坂には僅かな平坦路

中ノ池 byT.S

急登のドン突・梶山分岐

笹平とお花畑

岩壁のフトンビシを俯瞰

ウツボグサの群生

 

山頂北峰の石仏・祠

笹平の先にある山頂

 

<山頂>

 
 平らな笹の尾根とその先にコブのような山容が見える。直射日光に晒され、帽子のつばから
トロトロと汗が落ちる。  お花畑もあり、漸く平坦路になったが100m弱の直登を上がらないと
山頂に立てない。 下山の人と交差しながら、何とか北峰に届くと、石仏と祠があり、100m程
離れて南峰と三角点があった。 登り坂ばかりの径を出発してから5時間半、想定タイム通り
だった。 互いに健闘を称えて集合写真に納まる。

 全方位の眺めはあるが、周辺の峰々は雲があり、北アルプスも火打・妙高の絶景も得られ
ず下山に向う。 笹の径を下り、ザックをデポした分岐点で昼食を摂った。

  

 

ニッコウキスゲ

ヤマハハコ

カワラナデシコ

クガイソウ

 

<長い下山路>

 梶山分岐点から東に進んだ小谷村への分岐点に向う。 振り返ると山頂付近はガスが流れ、
都合よくピークハントができた。 日差しも強くなり、急な岩径を過すと下の方に樹林帯が見え
日陰が期待できそうだ。
 しかし急な下り坂やジグザグ径は続き、段々と脚が重くなる。 何度も休憩しながら、何とか
雪渓からの沢(荒菅沢)に出会った。大休憩となり、皆な冷たい流れで首や顔を冷やし、しば
し暑さも忘れる。冷却水にとポリタンに水を詰める。(分岐から2時間半)

 下りの平均時間が3時間とあるが、未だ半分ほどの行程が残っているようだ。沢から上り坂
となり、重い足が更に重くなる。  体調不良の人もあり、登山口まで90分の標を見つけて少し
安堵する。 ブナ林に入り日差しを凌げる森林浴の休憩を取る。 北側の上りでは変型ブナを
多く見かけたが、南側はすくっとした、ブナの木だ。

 広くなった下山路、漸く平らな登山口に着いた。 予定した村営雨飾荘に連絡を取りたいが
携帯もスマホも繋がらないまま、キャンプ場に届いた。(17:40)  仲間が施設に出向いて話
をつけ、バスで迎えに来てもらう事になった。  徒なら更に1時間、有り難いゴールを迎えた。

 想定時間を越えて分岐点から4時間半、疲労と暑さを制し、縦走路を全員無事に完踏した。
宿所では夕食の最終組に間に合い、豪華なコース料理で健脚を祝した。


 

荒菅沢の上流方向

荒菅沢の冷水

ブナ林

ブナの大木

キャンプ場にゴール

村営・雨飾荘 byT.S

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