かさすてやま・じゃぐえさん

笠捨山・蛇崩山

2011/3/26                                                       4人パーティー(崎田・記)

 大阪→高速道→五條市→R168(十津川村に前泊)→R168・425→上葛川
 熊谷ノ頭 1168m、 蛇崩山 1172m、 笠捨山 1352m

 バス停前→吊橋→尾根筋→熊谷ノ頭→蛇崩山→熊谷ノ頭→笠捨山→葛川辻→地蔵岳分岐→林道終点
 上葛川駐車場8:20発(110分)尾根筋(80)熊谷ノ頭(30)蛇崩山・昼食30分(30)熊谷ノ頭(110)〜
        笠捨山(30)葛川辻(60)地蔵岳分岐(80)上葛川 17:10着 
Σ8時間50分、約14Km

 

   
  十津川村は日本で一番広い村として知られている。 奈良県五條市からR168を南下
 すると空が段々と小さくなり、崖下の狭い道路脇に軒を並べる民家もある。 面積の96
 %が山林で米は出来ず、玉蜀黍や粟などで暮らしてきたそうだ。 明治22年の風水害
 で川が氾濫、600戸の人達が北海道に移住、現在は新十津川町として栄えている。町
 の徽章も十津川村と同じだそうだ。(歴史民俗資料館に多くの展示がある)
 「十津川郷士」と呼ばれる特異な武士団を擁し、古来朝廷の警備などに活躍したそうだ。
 竜馬暗殺の時、近江屋の木戸で符牒として使ったとか、TVドラマの場面も新しい。

  大峰奥駈けの南部は険しい尾根で交通手段も少なく、日帰りは無理な処だ。吉野か
 ら熊野本宮大社までの縦走はとても出来ないが、修験道の路としても有名な峰々が連
 なる。神仏に因んだ名の大普賢岳、称山、八経ケ岳、釈迦ケ岳、大日岳、涅槃岳など
 等たくさんある。玉置山からは最終コースとなり、本宮大社へと降りる。

  山小屋は少なく村の民宿に前泊、アクセスが容易な笠捨山を目指す事にした。寒気
 が続き、強風や粉雪もまったが、支尾根にある蛇崩山から周回して辿った。名の由来
 は知らないが険しい山稜、急登などが続き、奥駈けに通じる峰だった。

   

笠捨山頂上の祠

 

<蛇崩山>

  朝早く発ち、滝地区から更に東に分け入るR425を進んだ。曲がりくねった路を一時間
ほど上がると山間が少し開け、上葛川部落に着いた。休業した民宿の駐車場を借り、下
にかかる吊橋を渡る。植林の手が入った径を進むが少しづつ踏み跡も薄くなり、径が途絶
えてしまう。苔むした倒木や窪みを無理やりに渡り、仲間も離れて径路を探す。

 兎に角、尾根を目指して上へ上へと辿るしかない。1/25000の地図には明瞭なルートが
無く、高度計や五感を使い現在位置を把握しながら進む。踏み跡の濃い径から外れたよう
だが、鞍部の廃小屋など通過ポイントに出会って安堵する。

 やがて熊谷ノ頭という笠捨山との分岐点へ着いた。 そこから30分ほどで南の蛇崩山へ
と進んだ。広々した山頂はブナの大木、落ち葉で気持ち良い。迷路に陥り予定より遅れた
が、昼食を摂る。 由来は知らないが、蛇の字がつくので古来から杣人に関わりが深い処
だったのだろうか。

 

上葛川部落のつり橋

熊谷ノ頭 1168m

蛇崩山 1172m

蛇崩山の落ち葉

 

<笠捨山>

  分岐点へ引返し笠捨山を目指す。3月下旬になっても寒い、強風に混じり粉雪が舞う。
尾根を外さないように進む、岩稜やアップダウンを繰り返し、雪融けの急坂を上ると笠捨
山東峰に出合った。反射板があり、北には雪雲や白い尾根が眺望できる。 雄大な大峰
の峰峰に感動、難路での疲れも薄まる。

 西峰に進むと奥駈縦走路に出合い、山頂の祠や石碑など沢山ある。 世界遺産になって
やたらと標が目立つ。 この先には槍ガ岳、地蔵岳など尾根の縦走路が続くが、時間的に
無理な状況になり、葛川辻から部落へ下山することにした。

 

笠捨山三角点

雪の縦走路を下る

葛川辻は地蔵岳、香精山への分岐点

 

<水平古道>

  笠捨山西は雪も残る急坂で、ストックで制動しながら下る。 鞍部が葛川辻で縦走路と
部落への径の分岐だ。150分とあるが、地図を見ながらまさか〜と思いつつ、小径に入る。
 一時間経っても高度1000m付近のまま、岩壁やザレた径が続き、長い長い水平移動の
下山路となった。

 滝を上から眺める場所もあり、シャクナゲが自生する大岩もある。 冷え込みでツララが
岩壁から下がり、ポキッと折って口にする。 やがて地蔵岳へ上る古い分岐点に出会う。
郵便古道の記載もあり、小さな廃小屋も、ここから地蔵岳へと登ったのだろう。

 漸く200m位高度が下がり、葛川も眼下に見えるようになる。予定よりも少し早く、130分
程で林道終点へ辿り着いた。駐車の礼を述べ、夕日が隠れる前に村の民宿へと向かった。

 

地蔵岳への分岐点(参道とある)

岩壁

林道の終点は部落のどんつき

 

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