おくほたかだけ

奥穂高岳

2016/10/13〜15                                                     6人パーティー(崎田・記)

 大阪・梅田BT(高速バス)〜長野・松本BT〜上高地BT〜横尾-涸沢小屋(前泊)
 奥穂高岳 3190m、ジャンダルム3163m、涸沢岳3110m、北穂3106m、前穂3090m

 横尾山荘、涸沢ヒュッテ、涸沢小屋、穂高岳山荘 他

 上高地BT→横尾→涸沢小屋→ザイテングラード→穂高岳山荘→山頂(ピストン)
<山中一日目>
 8:40上高地BT着−9:00河童橋−明神−徳沢−11:55横尾大橋−15:40涸沢小屋
  Σ約7時間
<山中二日目>
 6:50涸沢小屋出発〜9:50穂高岳山荘〜11:10奥穂11:35〜12:40穂高岳山荘13:20〜
 15:10涸沢小屋着  Σ8時間20分 (大休憩65分含)
<山中三日目>
 6:30涸沢小屋出発−横尾−徳沢−明神橋−嘉門次小屋(昼食)−13:10河童橋 Σ6:40

 

奥穂高岳 (Oct.14,2016)

    

          一度は登りたい槍・穂高は険しい岩陵が連なる日本の代表的な鋭鋒だ。  昔は奥岳とも
          呼ばれたそうで、人里離れ近づき難い峰々だっただろう。1893・明治26年に宣教師ウエス
          トンが上条嘉門次の案内で初めて穂高に登ったとある。(記録ではその二週間前に陸軍省
          の視察員が登頂) 登頂した峰は正確には前穂高で当時は最高点と思われていたそうだ。
          今は日本三位の奥穂高をはじめ、北穂高、涸沢岳、ジャンダルム、前穂高と3000mを越す
          峰が五つ連なり、穂高岳と呼ばれる。(西穂高は2909m)

          当方は2000年9月北穂高に登り、奥穂への途中、涸沢岳手前で悪天候で退却した。2010年
          9月にもガスに遮られて涸沢からパノラマコースを辿って退却、三度目の挑戦だった。 幸い
          にも三日間の快晴に恵まれ、仲間と共に奥穂高岳の頂に立つ事ができた。涸沢からは樹林
          の無い岩だけの径で、氷河が削ったと云われる大カールを俯瞰しながら登った。 岩径の途
          中で眼鏡が壊れるアクシデントもあったが予備をかけて進んだ。

          涸沢小屋から高低差840mの岩陵の往復は、参考時間を1時間半超えて8時間余りだった。
          誰も怪我や故障なく涸沢小屋へ帰着し、達成感に溢れた一日で、仲間に感謝する次第です。



 

河童橋から見る穂高連峰 (右手奥に前穂、吊尾根、奥穂、ジャンダルムなどが見える)

 

<ザイテングラード・支陵>

 
  梅田から夜行高速バスに乗り、早朝に松本に下車、電車バスで上高地バスターミナル(BT)に
着く。 観光客も多いが横尾までは高低差も少なく、ハイキング気分だ。 山荘前の橋を渡ると山
に入る。 横尾谷沿いに遡ると本谷橋に至る。細い吊橋を渡り、いよいよ山径に入る。
 大勢の登山者に踏まれたか、確りとしたルートだ。以前は無かった大きなガレ場、休むな!との
標識があり、急いで過す。右手は鋭い峰や黄葉の樹林、ただ有名な涸沢の紅葉はお終いだった。
BTから7時間、4時前に涸沢小屋に着いた。

 翌朝の涸沢カールは快晴、すり鉢状の底にある小屋から鋭い奥穂の山頂へと出発する。am6:50
小屋の裏から岩の路が始り、大きな礫状の石が重なる路はただペンキのマークを頼りに上る。行
く手には大きなカーブをした径が見えるが樹木は無し、支陵の底に僅かな這松が見える。
 右手に聳える獅子岩の下辺りで、歩き易い径も終り、大岩が連なるザイテングラードに取り付く。
所々平坦路もあるが大半が石ころ径や岩登りになる。 突然眼鏡のレンズが落ちた、ネジが弛ん
で外れた様子、細かなネジは探しようもなく、予備の眼鏡を掛ける。 常備品として何時もザックに
入れているが初めて役に立った。

 約一時間ほど上がると”20分広場”と云う場所になり、休憩する。穂高小屋へ20分とあるが、更に
岩途を辿ることになる。 穂高岳山荘のポールが見え、大きな小屋に到着する。am9:50
 標高2983mの山荘は涸沢岳と奥穂高岳の最鞍部で貴重な位置にある。 今田重太郎が1924年
に建て、多くの登山路も構築したとある。前穂ルートの重太郎新道や娘の紀美子・平に名を残す。

 

横尾山荘前の橋を渡り穂高連峰へ入る

本谷橋吊橋(二日後に撤去作業)

涸沢小屋から山頂

涸沢カール

 

ザイテングラード(穂高岳山荘から下り方面を俯瞰、東には常念岳)

 

 

<最後の登り>

 
  山荘西隣りには険しい岩陵、絶壁に近い岩壁に鉄ハシゴがあり、凄みがある。山頂迄は207m
の高低差でテンションも上がる。 所要時間50分とあるが、逆に下りる人もあり、待機して交差す
る処もある。 梯子や鎖場を過ぎると大きな岩壁、大岩の径が続く。 行く手には山頂らしき山容、
しかし右手には断崖が数百メートルの底へと流れ、否応無しに緊張が走る。

 幾つもの岩陵を越えて鋭鋒が間近になる。人の動きも見え、最後の岩径を登って山頂へ届いた。
am11:10  青空と全方位のアルプスがご褒美みたいだ。常念岳、大天井岳、槍ケ岳、笠ケ岳、西
穂高、ジャンダルムの岳陵、前穂高等々目線よりも下にピークが取り囲む、正に絶景絶景なりだ。
 社を建てた頂と展望台の二つのピーク、感動を倍増する工夫か!? 公式の標高よりも2〜3m
高い頂点は、ガスなど悪天候時にも視認できるようにとの配慮だそうだ。

 東側は緩く石の広場があり昼食を摂る。 南東は吊尾根を経て前穂に通じ、西はジャンダルム
を経て西穂に至る。事故も起きやすい難所だらけ、吾等の力ではここ迄と十分に満足! 他の組
と互いに記念写真、槍を従えた画像はお宝ものだ。 pm11:35

 

壁を登って岩陵に取り付く

穂高岳山荘(最大350人収容)

山荘の西に岩壁(鉄梯子、鎖)/rollover by HS

山荘の東に聳える涸沢岳

山荘から見る涸沢ヒュッテはカールの底辺

 

奥穂高岳 3190m

奥穂からの槍ケ岳 3180m (涸沢岳〜北穂〜南岳等の縦走路も)

馬ノ背の先にジャンダルム 3163m(奥穂から)

 

 

<下山>

 
 同じルートを下るが浮石など危険個所を避ける為慎重になる。穂高岳山荘の赤い屋根が直下
に見えてくるが、最後に鉄ハシゴが待っている。 登る人と連携しながらの下り、漸く山荘前に降
り立った。pm12:40  長い休憩を取ってから長い下りのザイテングラードにむかう。pm13:20

 雪の無い涸沢カールは上部に白っぽい岩石が重なり、冬季とは違った景観になる。写真では雪
景色と見間違うほどだ。苔や樹木が育たないので、もろに石の大斜面が底辺へカーブを描いてる。
 小屋からヘルメットを借りて、万一に備えているが、午前中に登った支尾根も気持ち的には楽だ。
大岩の難所もクリアー、緩い石路になり、涸沢ヒュッテとの分岐を過す。 しかし涸沢小屋が見えな
い、大きな岩陵を回り込んで漸く小屋に戻った。pm15:10

 最終日、上高地BTまで約6時間の行程で昼の高速バスに乗る予定だ。 仲間の推奨する嘉門次
小屋の定食も食べたいので早めに涸沢小屋を発つ。am6:30
 横尾山荘前は大勢のハイカー、観光客で賑わいを呈している。 昼の定食に並んだりすると予定
が狂う心配もあり、女性陣の足取りは速い。 明神館の前を過し、嘉門次小屋の前席に座ることが
できた。 晴天に感謝し互いの健闘を称え、イワナの焼き魚定食と骨酒でカンパイした。

  

 

ザイテングラード途中から前穂遠望

20分広場(穂高岳山荘間近)

涸沢ヒュッテからパノラマコース(斜面の径)遠望・屏風のコル、奥又白谷を経て徳沢

 

明神岳の岳陵(一般の登山道無し)

 

club-tanu club-tanu club-tanu 総合目次頁へ戻る club-tanu club-tanu club-tanu